▶ご挨拶

理事長挨拶

私は釜利谷で生まれ、日ごろから生まれ故郷にささやかながら何か恩返しができないものだろうかと、自問自答を繰り返してきました。そして一つの考えに到達しました。

私の故郷を後世のひとびとに引き継ぐことだと・・・・・・・・

それが一般財団法人金澤伊丹氏歴史郷土財団の設立目的です。金沢区に存在する多数の文化財は、先人たちの生活の証であり歴史そのものです。先人が創造し育んできた文化の所産である文化財は郷土の歴史、文化、生活の変遷を学び正しく理解する上で大変貴重なものであり、また将来の文化創造発展の礎となるものです。これらを保存し、保護し、後世に伝えるのは私たちの務めであり、一方、大いに活用していかなければならないと考えております。

この度、金沢区民の皆様はもとより多くの方々に金沢区に所在する文化財を知っていただき、郷土の歴史を理解していただくために、『金沢・釜利谷と伊丹家の歴史(六浦郷・金沢郷における伊丹家の歴史的背景)』を発刊しました。また神奈川県立公文書館に寄託しております『伊丹太左衛門家文書』も発刊しますので、二書を通して釜利谷地区の室町期から江戸期の案内役として活用されれば幸いに存じます。

伊丹氏は北条家の家臣として活躍しますが、北条氏滅亡後は徳川家康に仕え天正18年(1590)からの江戸幕府の政策により釜利谷から江戸に移住しました。その際、釜利谷には一族の伊丹喜左衛門が本家を守ります。『伊丹太左衛門家文書』は五代太左衛門から十代太左衛門までの村方文書(主に名主・年寄として作成収受された)を主とし、時代的には元禄年中から慶應3年にかけての文書です。前述の二書を通して、伊丹家の歴史について理解を深め、かつ明治時代に至るまでの動乱の時代に生きた武将の興亡、さらに彼らの支配を受けた地域の歴史といった点にも思いをはせていただければ幸いです。

最後に財団設立にあたりまして、ご協力、ご指導いただいた関係各位に対して深く感謝の意を表します。

平成29年6月

一般財団法人 金澤伊丹氏歴史郷土財団

会 長  伊丹 次郎
理事長  伊丹 勇司

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